今年はコロナの影響で文化祭が中止となりました???
なんとか子どもたちの青春の1ページをつくってやりたい???
そう思った音楽科教員は,全学年全クラスで共通の内容を扱う「全校一斉企画」を実施することにしました。
その名も,「コンクールは何のためにあるのか?」
音楽活動を充実させながら,子どもたちに<音楽界隈永遠のテーマ>に挑んでもらいました。
授業の様子を紹介します。
まずは教員からのテーマ発表。
事前に用意した演奏動画に採点をしてもらいつつ,
「人によって音楽の感じ方は様々なのに,なぜこの世にはコンクールがあるんだろうね。音楽は点数化してもよいのかね?」
と問い,子どもたちにコンクール企画の概要や曲などについて説明を行いました。
全員で合唱を行うと,密になってしまいます。
そのため,今回は合唱に加えて,ギターや打楽器,ピアノ,指揮を設けた「合演形式」をとりました。
(なお,1クラスに集まっての合唱の時間を制限したり換気をしたりと,対策は入念に行いました)
実習期間中にはこのように???
実習の先生方に指揮をしてもらいました。
また,基本的には自分たちで練習内容を考えさせたり,課題をあげさせたりしました。
「私が1から100まで関わってしまうと,それは私の音楽になるからね」
と語る担当教員。
さらに,実習の先生の生アンサンブル演奏を聴くなど,「合演を成立させる上で必要なことは何か」
ということについても学んでもらいました。
音楽的な技能ももちろんですが,呼吸?コミュニケーション?姿勢(授業では身体面?精神面の姿勢をあわせて「アティチュード」と呼んでいました)?調和などが必要不可欠であると肌で感じてくれたようです。
そして,全クラス録画を行い,審査用動画としてまとめて審査員(教員が大学の音楽専攻に委嘱)に送付しました。
みんな結果も楽しみにしていましたが,それ以上に「全力を出したから悔いは無い」「今までで一番の合演が出来た」という振り返りを行っていました。
そして結果発表???!
「やった。 工葰Z声をあげるクラス,「おぉ~」と他クラスの功績を認めて拍手をするクラス,悔しさをにじませるクラス???様々でした。
その中で,ほとんどの人が「コンクールがあることで人は成長できる」「ライバルと切磋琢磨することができる」「自分と他の価値観を共有できる」などといったようにコンクールの意義を見いだしてくれました。
コンクールはもちろん結果が出ます。近年は最良の結果を求めるような「教え込み」が一つの問題となっています。
音楽では過程(道のり/日々の練習や思考活動など)を重視することで,たとえ結果が振るわなくても学びがしっかりと身体に残ります。
そういったことを伝えられただけでも,この授業をしてよかった???と担当は語っています。
「自ら伸びよ」というモットーをかかげる本校で,子どもたちが自分たちの<手柄>というものを自覚できるような,サポート的な役割を担っていきたいなと思う次第です???!