医歯薬保健学研究院の二川浩樹教授は、エーザイ株式会社およびメディア株式会社との産学連携により新しいタイプの防菌スプレーを開発し、平成28年1月6日、キャンパス?イノベーションセンター(東京)において記者発表を行いました。
記者説明会の様子
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研究の概要を説明する二川教授(左) |
二川教授は、7年前の平成21年に、抗インフルエンザウィルス加工ができる消毒薬?洗剤Etak(イータック)を開発し、平成23年には、インフルエンザの拡大リスクを軽減する化合物の樹脂?フィルム材への固定化に成功しました。
今回開発したスプレータイプの入れ歯洗浄剤や歯ブラシ洗浄剤は、ウィルスや菌を持続的に殺菌しいつまでもきれいな状態を保てる「Etak」を活用したものです。
現在市販されている入れ歯洗浄剤のほとんどが浸漬タイプです。入れ歯をはずしたあと歯ブラシで洗浄後に容器に入れた洗浄液中に数分から数時間浸漬して除菌するものです。
今回開発した製品は、洗浄後の入れ歯にスプレーして軽く乾かした後すぐに装着することができ、また24時間防菌し続けることができます。
老人保健施設で行ったモニター調査では、入れ歯の洗浄を、水のみによる場合と防菌スプレーを使用した場合を7日間比較した結果、防菌スプレーの使用の方が細菌の増殖を1/10に抑制することがわかりました。モニター後のコメントでは、手間がかからない、汚れが付きにくく落ちやすい、におわなくなったとの意見がありました。
入れ歯の汚れは、義歯性口内炎の原因の一つでもあり、呼吸器感染や消化器感染も引き起こす可能性もあると言われます。
二川教授は、「防菌スプレーの使用で口の中のカンジダ菌や雑菌の増殖を抑えることができます。高齢者の口腔環境を清潔に保てることはもちろん、介護者の手間も省けるのではないか」と期待をしています。
記者説明会資料(6.66MB)
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広島大学学術?社会産学連携室広報グループ
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